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ヘニング・マンケル「目くらましの道」

目くらましの道 上 ヘニング・マンケル目くらましの道 下 ヘニング・マンケルドミニカ共和国での恋物語からはじまり、愛する妻が死に、残された幼い娘に父親が誓う。娘にはおれたちのようなみじめな暮らしをさせないようにすると。
そして時間がとんで、スコーネでは戦闘状態に変身した一人の男が斧とナイフを持ち裸足で出発する。
クルト・ヴァランダー警部は農夫からの通報を受け取る。彼の菜の花畑に挙動不振な人間がいるという。その畑へ行くと少女がいて彼が声をかけると少女は自分に火をつけて自死してしまう。ガソリンがまいてあったのだ。ヴァランダーはやり場のない気持ちで捜査にあたる。
その真相もわからないままに、今度は元法務長官が斧で殺され、頭皮を剥がされるという奇怪な事件が起こる。連続殺人事件の幕開けである。次の事件は夏至祭のパーティ最中に行われた。被害者は大金持ちの画商で、やはり頭を割られ頭皮をはぎ取られていた。
ストックホルムから犯罪心理学者エクホルムが呼ばれ分析をはじめる。次もあるだろうという意見である。地道な調査をしていく以外ないと聞き込みを続けるヴァランダー警部だが、父親が認知症と診断されたと言いにきてショックを受ける。そして次の事件が起こる。第三の殺人は経済犯罪で有名な公認会計士で、火のついたオーヴンに頭をつっこまれていた。第四の殺人は配水管工事のための穴に死体があり、彼は塩酸で目を潰されていた。今回だけはいままでの被害者と違って権力者ではなく、犯罪のパターンが違う。
連続殺人を追いながら、ヴァランダーは菜の花畑で死んだ少女を忘れない。以前の作品と同じように、関わりがないと思われていた少女と権力者の死が結びついていく。

心理学者の役割は分析することだけでなく、ヴァランダーと事件について話し合う、またはヴァランダーの話を聞くという仕事もあるのがわかった。
そしてまた、ヴァランダーが最後にはっきりわかったと思ったのは、事件をとおして男性支配社会がはっきりと見えてきたことである。最後まで読まないとわかりにくいけど(最後まで書くとネタバレと言われるので書けないが)。
最後にドミニカ共和国が物語に結びつく。ショックだ。
事件を終えて、ヴァランダーは「リガの犬たち」で出会ったパイパをようやくコペンハーゲンへ出迎えに行く。
女性二人がいい感じ。部下のアン=ブリット・フーグルンドと、最後になって転勤してきた署長リーサ・ホルゲソン。次の作品が楽しみだ。

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2007年04月18日 02:01に投稿されたエントリーのページです。

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