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ケイト・ロス「マルヴェッツィ館の殺人」続き

マルヴェッツィ館の殺人〈下〉 ケイト ロス旅よりもイギリスに帰りたいとジュネーブで袂を分かったマクレガー医師が、ジュリアンを一人にしてはいけないと思い返してミラノへやってきた。そして殺人があったマルヴェッツィ館にいっしょに滞在することになる。共に滞在するのはフランス人のド・ラ・マルクや盲目の音楽家でオルフェオの師だったドナッツイがいる。
現在の当主カルロは侯爵の弟にあたり、侯爵の息子のリカルドがいるが、その妻フランチェスカはオペラ歌手ヴァレリアーノと愛し合っている。かつてヴァレリアーノは侯爵の庇護下にあったが、フランチェスカとのことで憎まれるようになった。
素晴らしい館で、ジュリアンは滞在客全員にそれぞれ事件当時どこにいたかを確認していくが、担当捜査指揮官のグリマーニからは邪魔者扱いされる。
この後は波瀾万丈の物語である。オルフェオの秘密、次の殺人事件、侯爵夫人とジュリアンの恋のゆくえ、ヴァレリアーノの出生の秘密、等がどんどん語られていく。また秘密めいたド・ラ・マルクとジュリアンの確執もある。

事件の解決とともに、ジュリアンの過去も語られる。ジュリアンの父は紳士階級の出身だったが、舞台女優と恋をして一族から縁を切られた。母はジュリアンを産んだのと引き換えに死に、父は貧苦の中苦労して息子を育てた。父の死後伯父の家で厄介になるが、家出してパリに出たジュリアンは空腹のために道で倒れる。そのとき助けてくれたのがフランス貴族のドーブル伯爵で、自由思想家の伯爵は音楽や学問や乗馬をジュリアンに教え込む。そしてある日、自分勝手におまえを縛り付けてきたが解放したいと、ジュリアンに相当な暮らしができる金額を用意してくれたのだ。読者はマクレガー医師とともに、ジュリアン・ケストレルの過去を聞くことになる。話の後、マクレガーはいっしょにイギリスへ帰ろうと言う。

次の作品がないのがほんとうに残念だ。ジュリアンは今回も恋に恵まれなかった。わたしの希望は、マクレガーの住む村の地主の娘、まだ10歳過ぎの子どもながら、早熟のフィリパがあと数年してジュリアンに恋心を目覚めさせること。

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2007年04月21日 00:20に投稿されたエントリーのページです。

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