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ミーガン・アボット「さよならを言うことは」

さよならを言うことは ミーガン・アボットミクシィの「女性私立探偵たち」コミュニティで、“タルト・ノワール”という言葉が話題になったことがあった。わたしははじめて聞いたのでびっくりした。何年も前からそういうジャンルの本が出ていたのにまったく知らなかったのだから呆れる。そのとき代表的な作品を2册読んで大体のことはつかんだ。まずは“女性探偵”でなくて“女探偵”という(笑)。(当ブログのカテゴリーに「タルト・ノワール」を追加して、2冊の感想を書いてあります。)

そのとき、4月にハヤカワポケットミステリから本書が出ることも教えてもらった。今度はどんなのかと楽しみに買いに行った。「さよならを言うことは」とはちょっと収まりの悪いタイトルだよね。もちろんこの言葉は知っている。レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」の中にある“さよならを言うことは、少しだけ死ぬことだ”という一節。そして本書の原題は「少しだけ死ぬこと」(Die a Little)。
期待して読み始めた。高校教師の私(ローラ)は、地方検事事務所捜査官をしている兄のビルと二人でカリフォルニアに住んでいる。ビルが自動車事故にあったというので、あわてて病院へ行くと事故の相手のアリスがいた。アリスはハリウッドで撮影所の衣装係をしているというが、まるで女優のように美しい。
幼い頃に両親を亡くして二人でやってきた兄妹だったが、そのときビルはアリスに惹かれ、アリスもまた結婚したかったようですぐに結婚となる。それから結婚生活の様子がこと細かく語られる。50年代アメリカの捜査官の家庭と教師の日常生活はこんなもんかねと言うにはあまりにしつこい。もちろん普通の家庭でなく妻が異常にはりきった家庭生活なのだが。
じらしたあげくにクライマックスにもっていこうとするのはわかる。でも、その意図が見え過ぎだ。悪女ってこんなものですよって教えてもらわんかて、よう知ってるがな。
妹は兄を近親相姦的に愛していて絶対に勝つ賭けに出る。これもなあ・・・帯に「悪女が息づき、情熱に狂い、裏切りが蔓延る、'50年代LAチャンドラーの時代が鮮やかに甦る」とあるが、読み終わるとしらけた。

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2007年05月03日 01:33に投稿されたエントリーのページです。

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