封切りで見たきりだったので、テレビであったのをありがたく見せてもらった。いま調べたら「タクシードライバー」(1976)「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977)「ラストワルツ」(1978)と続いているのに驚く。マーティン・スコセッシ監督の作品ではこの3本が特に好きだ。
「ニューヨーク・ニューヨーク」は第二次世界大戦が終わったときからはじまる。ニューヨークの目抜き通り、戦勝国の喜びが爆発している人たちの中にジミー(ロバート・デ・ニーロ)がいる。夜になって大きなホールでまだ軍服姿のフランシーヌ(ライザ・ミネリ)に目をつけ、追い払われても食い下がりホテルへ送って行く。
ビッグバンドの全盛期である。ジミーはサックス奏者でオーディションを受けているが、その場でフランシーヌが歌う。なんだ、歌手だったのか。二人は楽団に雇われてツアーに出て、途中の町で結婚する。楽団主が引退してジミーが引き継ぐが、演奏の主導権をめぐって夫婦喧嘩が絶えない。
ジミーは才能があるが身勝手な男である。妊娠したフランシーヌはニューヨークへ帰り、コマーシャルソングを歌う仕事をはじめる。うまくいかない楽団を人に譲ってジミーはニューヨークにもどる。子どもが産まれるが、ジミーは病院へ行っても顔を見ずに帰ってしまう。
ビパップに入れこんだジミーは黒人ミュージシャンに認められる。黒人ミュージシャンにクラブへ出演するように誘われ、「一つ問題がある、おれは白人だから」と言うと、相手は「裏口から入ればいい」と答える。笑ったけど・・・。そしてただ一人の白人プレーヤーとして出演する。
映画の最後にはジャズプレーヤーとしての地位を確立しているし、クラブの持ち主になっている。
ポピュラーミュージックの女王としての地位を築いたフランシーヌはハリウッドでも成功する。
凱旋公演をするフランシーヌの舞台を予約席で眺めるジミーに、彼の曲「ニューヨーク・ニューヨーク」を歌うフランシーヌ。
当時のビッグバンドの姿も見られたし、ビバップはこうして生まれたのだとジャズの歴史の勉強になった。ライザ・ミネリはほんとにきれいで最後には貫禄もある。ロバート・デ・ニーロはしつこい男をよくやっている。
いろいろあったにせよ、いまも愛し合っている二人が、ハッピーエンドに終わるかと思わせる結末を、最後に女性が決断して拒否する。ここのところがよかった。ロバート・デ・ニーロのあきらめる表情もよかった。