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レベッカ・ウェルズ「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」

ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 レベッカ ウェルズ数日前に1/3くらいまで読んだところで、本書を読むことになったきっかけなどを書いた。読み進むにつれ、だんだん物語は中心へ向かって行き息苦しいほどになっていく。アメリカ南部ルイジアナ州ソーントンの町で、せいいっぱいに生きた女たちの姿が浮かび上がってくる。

物語は1993年、舞台演出家のシッダと母親のヴィヴィとの確執からはじまる。シッダは舞台「先端をいく女たち」の演出で成功を収めた40歳の女性で、恋人の舞台美術デザイナーのコナーと4カ月後に結婚を控えている。順風満帆のはずだった。
〈ニューヨーク・タイムス〉からインタビューの申し出があり、日曜版にシッダの紹介記事が掲載された。「タップダンスを踊ってみせる一方で子どもを虐待」というタイトルは思いもよらないものだった。姉妹のように親しげにして記者はシッダを安心させ、プライベートな話を引き出した。全国版に載ってしまったため、その芝居を見にくるはずだった両親や兄弟みんながキャンセルし、末弟だけが電話してきて言う。母さんは〈ニューヨーク・タイムス〉に名前が載りたいと思っているけど、こういうかたちではない。そしてスターが母さんでないのも気にいらない。そして母は、縁を切る、遺言書から名前を外す、誰もシッダとつきあうなとなった。
弱りきり自信を失ったシッダは結婚を延期し、当分一人で友人の山荘を借りて犬と暮らすことにする。母がわたしをどうやって愛したらいいかわからなかったように、わたしもコナーをどうやって愛したらいいのかわからない。ここでようやくシッダは自分の子供時代を振り返る気持ちになる。

母にヤァヤァ・シスターズのスクラップブックを貸してほしいと手紙を書くと、ヴィヴィは他のメンバー(キャロ、ニーシー、ティーンシー)に意見を聞いてから送ってきた。縁切りは解けたわけではない。
このスクラップブックから次々に現れる衝撃の真実がすごい。
少女時代、ヴィヴィの部屋で仲良し4人は家中が寝静まってから森へ行く。火をおこして炎を見つめながらヴィヴィが「ルイジアナ・ヤァヤァズ」について語る。白人がこの地に現れるずっと前、この地にヤァヤァズという強くて純粋で美しい女たちの部族があった・・・そして彼女らヤァヤァズは無茶な遊びや行動で有名になり伝説になるのだが、その友情の強さとうらはらに現実の生活は厳しいものとなっていく。
厳しいカトリック信者のヴィヴィの母は虚飾を嫌いヴィヴィを修道院へ送る。そこで禁欲生活を仕込まれるが、屈服しないためひどい目にあう。ティーンシーの母ジュヌヴィエーヴは看護婦からの電話でヴィヴィを引き取りに行く。
ティーンシーの兄ジャックとヴィヴィは恋仲だが、ジャックは戦争(第二次大戦)に志願して行方不明となり、そこからヴィヴィの不幸がはじまり、ジュヌヴィエーヴは立ち直れないままに亡くなる。

それぞれが結婚して子どもを産むが友情は変わらない。しかしヴィヴィは4人の子どもの世話に疲れはててしまう。少し前までは頼めば当たり前のように使えた黒人の女中の世話になろうとするが、昔のようにはいかない。時間がくれば帰られてしまう。ついに子どもたちに暴力をふるい隔離される。3人の友情はここでも発揮される。(この時代は結婚すれば子どもができて産むわけで、ほんの少し前の時代なのに、と思ったら、うちの親も7人の子を産んで育てたのだった。)シッダはその真相をついに知ることになる。

ある日、山荘に華やかな一団がやってくる。南部の上流階級が旅するときのしきたりどおり、服にあった帽子と靴など一式を揃え持つ大荷物で。ヤァヤァズの3人である。彼女らとシッダが話しているとコナーがやってくる。最後の真相がシッダに与えられる。そしてルイジアナへコナーとともに飛んだシッダは母と和解し、結婚式となる。

読んでいると南部のじっとりとした湿気にやられる。わたしは南部のことってなんにも知らなかった。「風とともに去りぬ」の他は、フォークナーを少し、カポーティを少し、テネシー・ウィリアムズも少し、フラナリー・オコナーの短篇集を1冊、くらいかな。それらを読んだときより南部のことが生理的にわかったような気持ちがする。(2000年4月発行の本です 早川書房 2000円+税)

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2007年07月10日 01:49に投稿されたエントリーのページです。

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