« 「ボツワナ・ナイト」に参加しませんか | メイン | 近所の公園 »

「TTRライブ能in細野ビルヂング」で優雅な午後

今年で5周年になるTTR(T=小鼓方:成田達志、T=大鼓方:山本哲也、RはRevolutionの略)の公演が去年10月細野ビルヂングであった。今日は2度目の公演である。前回はぎっしりと客が入って息苦しいほどだった。そのせいか今日は2回公演(4時からと7時半からと)である。わたしは4時のほうに行ったが、年配の熱心な女性客が多かった。一番前の席に座って楽しんできた。細野ビルヂングは能にもよく似合う。

今日のテーマは「月」。プログラムにそって書く。
第1部、最初は、素囃子「神楽」で、外の世界から能の世界へ巧みに観客を誘っていく。次に、笛「一管」は一本の笛にどんなに力があるかを感じさせつつ、休みなく次へ続く。
舞囃子「井筒」(シテ:味方玄)は、子どものときから井戸端で遊んでいた男女(男が後の在平業平)が恋に目覚めて結ばれたという話が先にあってここから。二人の物語を聞いた僧が在平寺で見る夢、井筒の女が業平の形見を身につけて現れ舞う。月明かりの下、水鏡に業平の顔が映る。うるわしい仕草。
太鼓「独鼓」があって、舞囃子「鵺」(シテ:浦田安親)となる。鵺(ヌエ)は、頭がサル、尾はヘビ、手足はトラという妖怪。夜な夜な御所に現れ天皇に災いをもたらす。源頼政が退治して淀川に流したという話が先にあってここから。鵺の亡霊が僧に弔いを頼むが、最後まで救われず暗黒の世界に去って行く。この物語には、皇室で異形の子が生まれる(近親婚が多いので)と淀に流されたという原点の物語があるそうだ。なんかすごい物語だ。わたしは前から浦田さんが気になっていたが、今日も素敵だった。すり足で前へ出られるとき、真ん前までこられるとドキッとしたりして。

ここで休憩となり演者紹介と挨拶があった。テーマ「月」を企画した山本さんが、「昼の明るいときは現実、夜の月のもとでは真実」とおっしゃった。月下が「幻想」ではなく「真実」というところがすごいと思った。

最後は構成曲「融」(シテ:片山清司)。光源氏のモデルといわれている源融は贅を尽くした生活をしていたが、死後、六条河原院は廃墟となった。という話が先にあってここから。長い年月の後旅の僧がやってくると、源融は汐汲みの老人の姿で現れる。月明かりに照らされると、廃墟が在りし日のように甦る。月の出とともに華やかな姿の融大臣が現れて舞う。太鼓も鼓も華やかに続く。

今日は正面の一番前の左端に座ったので、目の前に太鼓があり大鼓がその向こうである。山本さんが鼓を打つ姿がよく見えてよかった。それと、日本の男性には着物がよく似合う。絽の紋付に袴をつけた姿の美しいこと!これだけでも今日は来た甲斐があったというもの。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://dp31082594.lolipop.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/960

About

2007年07月06日 01:00に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「「ボツワナ・ナイト」に参加しませんか」です。

次の投稿は「近所の公園」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。