8月15日にマックス・ローチが83歳で亡くなった。ちょっと感無量。
60年代、マックス・ローチとアビー・リンカーンのカップルに若いわたしは憧れていた。もちょっと前の時代のサルトルとヴォーボワールのように、理想のカップルとして。
「We Insist」というアルバムは、その気持ちにハッパをかける内容だったから憧れはいや増していた。マックス・ローチの強烈なドラミングをバックにアビーが叫ぶ。60年代後半の若者の気分にぴったり合っていた。
その二人が別れたと聞いたのは70年代に入ってから、天王寺のジャズ喫茶でだった。ある日「明日アビーが京都でライブやるで」と知らせが入り、午後だったから仕事のある者は行けなかったが、ぶらぶらしている者が10人くらい京都へ行った。名前は忘れたが三條のジャズ喫茶だった。一番前に座ってアビーの歌を聴いた。狭いのでアビーの膝が私の膝にぶつかる。病後ということでちょっと太っていて、オレンジ色の服がアフリカの民族衣装のようだった。しっかりと微笑んでもらって大満足した。
急きょ決まった夕方からの2ステージ目も聴いて夜遅く帰った。そのころから「We Insist」は聴かなくなったが、「Abbey is Blue」は大好きでしょっちゅう聴いている。声に品があるしうまいし。「朝日のようにさわやかに」は誰よりもアビーのが好き。いまも聴きながら書いている。