絵本『イラスト図解 ジュール・ベルヌ「十五少年漂流記」』を手にしたのは10月2日、森田思軒訳「十五少年漂流記」を思い出したのが翌日3日、それから痛切に読みたくなり図書館で探したら文庫本が見つかった。よく字のつまった厚い本だが、おもしろかったのでどんどん読んですぐに読了。それでも気が済まずにあちこち読み返していた。
1860年3月9日の夜、15人の少年を乗せた百トンのヨット(帆船)サルキー号が嵐の海の上を帆も上げずに走っているところからはじまる。彼らはチェアマン寄宿学校の8歳から14歳までの生徒たちで、フランス人のブリアン兄弟、アメリカ人のゴードン以外はイギリス人である。それに見習い水夫である黒人のモコがいる。そしてファンという犬。
少年たちが無人島に漂流してから、力を合わせて2年間生き延びるさまを微に入り細にわたって書いているのが魅力。生きて行く努力を細かく描写し、また少年たちの正義感、嫉妬心、仲違いと和解、など心の動きも納得できる。何度読んでいても最後はほっとする(笑)。(荒川浩充訳 創元SF文庫 700円)