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レイモン・ラディゲ「肉体の悪魔」

せっかく映画を見たことだし原作も読んでおこうと思ったのは、図書館の棚から呼びかけてるみたいに本が目についたからだ。黄色いおしゃれな背表紙、黄色に黒の濃淡で表紙はジェラール・フィリップの顔、裏表紙はレインコートを着た胸から上のジェラール・フィリップ、しかも映画のシーンが本文の前に4ページあるというサービス。堪能しましたわ。

レイモン・ラディゲ(1903-1923)は本書を16歳から18歳の間に書いた。14歳のころ年上の女性と出会って恋をし、不登校のため学校から放校処分を受けた。自宅で語学を父親に教えられながら、詩作をはじめる。ジャン・コクトーに紹介されると、コクトーはすぐに彼の才能を見抜き自分の友人たちに紹介する。詩から小説に転じて書いたのが、自分の恋愛体験をもとにした「肉体の悪魔」だった。

「ドルジュル伯の舞踏会」を書いた後に20歳で死んでしまったレイモン・ラディゲ。コクトーはその死にショックを受けて阿片に長いこと溺れたんだよね。
わたしは若いときに「ドルジュル伯の舞踏会」を読んだのだけれど、それきりで忘れてしまっている。映画があったような気がして検索したがなかった。ミシュリーヌ・プレールが出ていたような気がしたが、「肉体の悪魔」と混同してたのかな。

でもって、「肉体の悪魔」をはじめて読んでおどろいた。こんな恋の物語を16歳から18歳の間に書いたなんて、なんて早熟な。
自分たちの愛は特別なものと思い込んでいるが、本当はどんな平凡な恋人たちでもそう思っているのも知らずに、なんて書いてあるんだもん。その若さでこういうことわかっていたのね。
そして、19歳の人妻で恋人のマルトが泣く。私のほうが年を取り過ぎているからよ、年寄りだからよって。(松本百合子訳 アーティストハウス 1600円+税)

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2007年10月12日 01:06に投稿されたエントリーのページです。

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