
「西脇順三郎コレクション 全6巻」の編集者 新倉俊一さんによる西脇順三郎についての本。「プロローグ」によると、3年ほど前に「評伝 西脇順三郎」を書き上げたとき、ある人に今度は詩について語るべきだと言われたとのことで、本書は「絵画」というキーワードで西脇順三郎の詩について語っている。
「あとがき」に、本書の内容は朝日カルチャーセンター立川の講座のために話されたものと書いてある。そのせいか読みやすい。
わたしは密かに詩を愛読していただけだったのに、図書館で見つけた本「西脇順三郎コレクション」であれっと思い、こうして研究書を読むにいたってしまった。偶然こういうことになってわたしは運がいい。
西脇順三郎は最初は画家になろうと思っていたが、生活のことを考えて画家になることを諦めたそうだ。そのために詩に絵画的要素があるんだって。だから絵画から影響を受けていて、本書のはじめにはそれらの絵の写真版がつけられている。
萩原朔太郎と西脇順三郎を二代潮流とされているが、こんなことは考えたこともなかったので勉強になった。わたしの中では二人はそれぞれ別に存在している人だった。萩原朔太郎は立派すぎて仰ぎ見ていた。西脇順三郎のほうはすごく親しみを持っていたが、そんな大詩人とは思っていなかったというのが本音である。
詩の引用がたくさんあって、覚えているのは懐かしく、知らない詩についての言及も納得いき、今年は最初から縁起がいい。(慶応義塾大学出版会 2800円+税)