夭折の天才監督ジャン・ユスターシュ(1938〜1981)の名前を知らなかった。ゴダールに発見され、最後のヌーヴェルヴァーグ作家と言われていたというのも知らなかった。
今夜ビデオで「ぼくの小さな恋人たち」(1974)を見て、ショックというか、すごく心を打たれた。
13歳のダニエル(マルタン・ロエブ)はフランス南部の田舎に祖母と暮らしている。祖母は優しく世話してくれてるし、村へ来たサーカスを見に行ったり、森で友だちと遊んだり牧歌的な日々である。そこへ離婚していた母が息子を引き取りにくる。ナルボンヌの街で母親の新しい男との生活がはじまる。高校へ行くつもりだったのに、お金がないから働くようにとオートバイの修理屋へ行かされる。
働きながら世間を知っていく少年の哀しさがたまらない。最近こんな映画あったかなぁ。アラン・ドロンの「若者のすべて」(1960)はイタリアの田舎からミラノへやってくるが、働くのが当たり前の時代だったし、きょうだいが多くて助け合っていた。だいぶんに違う。
清潔な田舎出の少年は煙草を覚え、ため口をたたくことも覚えたが、女性に対しては純情だ。
内容は哀しいのにプツンとシーンが切れて次のシーンへ行くのが歯切れ良い。
マルタン・ロエブは哀愁あふれる美少年。