ミクシィの「セイヤーズ読書会」コミュで最後の長編小説である「忙しい蜜月旅行」を取り上げた。紹介文は何度も読んでいるからすぐにできると思ったが、読み出したらやめられない。そして思ってたよりもずっと内容が深いので熱中してしまった。アップしてほっとしているところ。これからコメントが書き込まれるのが楽しみだ。
今日はちょっとばたついたもので日記のテーマが頭に浮かばず、こういうときのミクシィ頼み(笑)。
■「不自然な死」について話そう
買ったときに読んだだけだったので、今回11年ぶりに読むことになってよかったです。セイヤーズの中では好きの順番が低かったのですが、再読したら工夫のある作品だというのがわかりました。
ピーター卿とパーカーがソーホーの料理店で食事しながら話し合っているとき、横にいた青年が口を挟みます。その話に気を惹かれたピーター卿は自宅へ伴って、詳しく事情を聞きます。青年は医者で自分の患者のことで疑念を持っていると言うのです。癌の患者の老婦人が医者の予想以上に早く亡くなったのはなぜか。ピーター卿は調べ始めます。聞きこみ代理人クリンプスンさんをその町に行かせ、うわさ話の蒐集をさせるのです。
ピーター卿はその死に疑いを持って行動をはじめますが、パーカーは「・・・根拠は自信過剰の若い医師の診断と、ばかばかしい噂話しかないじゃないか」と言います。それに対してピーター卿は「証拠を求める役人としての情熱が、そのすばらしい知性を徐々に骨抜きにし、直感を押し潰してしまっている・・・」と言い、賭けをしようと持ちかけます。
クリンプスンさんも聞き込みからはじまって大活躍。そこまでやらずともと思うくらいに尾行したり、最後はどうなるかとはらはらさせられました。
解説の久坂さんが【〈いかに痕跡を残さず自然死に見せかけ殺人を行ったか?〉という〈不自然な死〉を巡るハウダニットである。】と書いておられますが、そのとおり巧妙に計画された殺人、そしてなぜ癌で自然死するであろう人を、何カ月か前に自然死に見せて殺す必要があったということもわかって納得です。(mixi コミュニティ「セイヤーズ読書会」のトピック〈「不自然な死」について話そう 2006.5.17〉より)
(浅羽莢子訳 創元推理文庫 600円)