いま武道家として知られる日野晃が25年ぶりにドラムソロをやるということを知ったのは3日前、3年くらい前に書いたブログにトラックバックがついたことからはじまる。それは細野ビルで行われたライブで、久しぶりにジャズライブに行ったわたしは、元気なドラムの音に、日野明(当時は明だった)を思い出すと書いたのだった。久しぶりのライブだったのでオーバーに思っちゃったのね。その一言が検索で出てきて、その方はトラックバックしてくださったのだが、その方のブログを読むと、あと3日で日野晃のドラムソロがあると期待がいっぱいの文章である。
えぇーっと、わたしと相方はうなって、これは聴きに行かずばなるめぇとすぐに予約を入れた。還暦で1時間のドラムソロ!!
わたしが1970年代を思い出すときはまずジャズである。昼間は仕事をして、夜はジャズ喫茶で過ごす日が多かった。読書、ジャズ、映画、そしてジャズ喫茶の友だちとのつきあいで日々は過ぎていった。
そういうときに出会ったのが日野明だった。彼のドラムの力強さとスピードに魅了されて聴き続けた。京大西部講堂での演奏は何度も聴いたが力強かったなぁ。
10年くらい聴き続けていたけれど、日野明は83年でそういう生活を終えたのだった。多分最後の演奏だったと思うが、島之内教会でのソロはすごかった。いっしょにいた空手の先生がもう止めさせなければ体を壊すと言ったのを覚えている。
それからの彼は武道に生きる道に進み、わたしたちとはだんだん疎遠になっていった。ウィリアム・フォーサイスの招きを受けたという話を知ったり、テレビに出たという話を知ると、彼の努力が実を結びつつあるなと思っていた。
その日野晃がドラムソロコンサートを開くという。彼との赤い糸が切れなかったのか、見知らぬ人のブログの縁で今日大阪ビジネスパーク円形ホールにいた。800人も入るというホールに果たして人は来るのだろうかとヘンな心配までしたが、信奉者が多いのかどんどん人が集まってきた。スタッフが気持ちよい青年男女で武道家日野晃の魅力が推し量れる。
真っ暗な場内、さくらさくらの大合唱の中で打ち込まれた第一音が日野晃の健在を告げていた。とてもダイナミックで力強い音。昔は力技で叩いていたが、いまは技で叩いている。スピードは変わらない。1時間を怒濤のドラムの中にいた。いろいろと思い出して思わず目が潤んできた。
その後のピアノ田中武久、ベース宮野友巴との共演がとても楽しそうで、こういう余裕ももてるようになったのね。
挨拶して帰ろうと思ったら打ち上げに誘われ、ビジネスパークのレストランで昔と変わらぬヤンチャな会話を交わした。
日野晃の言葉「人という生物は、年月と共に鋭く美しくなる」