石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」の「おいらはドラマー(中略)おいらが叩けば嵐を呼ぶぜ」という歌に惹かれたわけではないけれど(映画は見たけどまさかね)、なぜかドラムの音が好きなのだ。幼少のころジーン・クルーパというドラマーが来日して、父親が本場のドラマーだと騒いでいた。新聞や雑誌で見ただけだけど、豪快にスティックを振り上げていた。カッコええと思った。
そういう素地があるところへ、アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズが来日した。これは絶対行かなきゃとお金を工面して、フェスティバルホールの前から10番目くらいのキップを手に入れた。ノリにのって興奮したのをいまもよく覚えている。
いま図書館で借りた平岡正明の「毒血と薔薇」(国書刊行会)を開いたら、しょっぱなに出ているのが、アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズを1961年に招いたのが、〈呼び屋〉の神彰だったことと、このコンサートが日本にモダンジャズ・ブームを起こしたと書いている。わたしはモダンジャズの洗礼を受けた第一期生みたいなもんなんだといまごろわかった。
その次はレコードで聴いたマックス・ローチだ。音もすごかったけど、彼とアビー・リンカーンのカップルが理想だったときがあった(笑)。それからたくさんの来日バンドのコンサートへ行った。
そして日野晃がいた。70年代のはじめ心斎橋のジャズ喫茶で聴いて以来のファンだった。彼のドラムは激しくてスピードがあって巧かった。
その後はパンクバンドでもなんでも、リズムを刻んでいれば体を揺するくらいのことで過ぎてきた。最近はまたジャズライブに行くことが多くなり、いくらかドラム好きもむくわれてけたけど、一昨日は格別だった。