最近ジャズを聴く機会が増えている。実は明日もライブに行く。それで少しジャズについて知っておこうと、平岡正明「毒血と薔薇」(国書刊行会)と「昭和ジャズ喫茶伝説」を読みかけている。
わたしは自分がいかに長いことジャズを聴いてきたかを自慢するとき、「アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ」からはじまったと言うのだが、ほんまに彼らの来日が日本のモダンジャズブームのはじまりだったと知って鼻高々なのである。とはいえ、あっちへうろうろ、こっちへうろうろとジャズ一直線とはいかなかった。
平岡正明の文章は明快で強い芯が一本通っている。それを嫌う人も多いだろうが、100冊以上も本を出しているということだからファンも多いのだと思う。つい先頃まで読んだことがなかったが食わず嫌いだったのね。おもしろいです。
「昭和ジャズ喫茶伝説」は東京を中心に関東地方のジャズ喫茶について語りながら、ジャズと自分自身のことを語っている。最初の横浜中華街ミントンハウスについてのところで、生演奏はときどき演奏するやつが邪魔、部屋で聴くと自分が邪魔とあり、ジャズはジャズ喫茶で聴くものだと結論づけている。それに続いてクリフォード・ブラウンとマックス・ローチの「デリラ」について重く語っている。そして「サムソンとデリラ」の物語について丁寧な解説。この曲は「デライラ」といまは言うけど、俺は「デリラ」と言うのを変えない理由が書かれている。わたしは平岡さんに悪いけど、ジャズ喫茶ではなくわが家の iTunes から探して聴いた。懐かしい旋律が聞こえてきた。(平凡社 1800円+税)