もともと古いビルが好きで、出かけたときや散歩の途中など立ち止まってビルを眺めることがしばしばある。数年前に細野ビルを眺めていて、ビル改修作業中のオーナー細野さんと知り合った。ビルの中をていねいに案内してもらって、ホールがイベントに使われているのを知った。それからはいろんなイベントにも参加させてもらってビルの良さを味わった。数カ月後に相方がボランティアでサイトを作らせてほしいと頼み、細野ビルサイトを立ち上げた。
20数年前に引っ越して来た時から、細野ビルは市役所に行くときに前を通っていて気になっていた。長い間1階を借りていたテナントが出て行ったときから、細野さんが自力で改修作業をした。いま1階はホールとして使い、地下室と2階の1室を画廊として使っている。
そういう縁までできて古いビルに対する愛着はいよいよ深まっている。大阪西区周辺にはたくさん古いビルがあってうれしいところである。
本書を読むとほんとにいろいろある。中之島エリア、大阪城エリア、船場エリア、西船場エリア、南船場エリア、大阪港—川口エリアと分けてあり、それぞれのエリアの建物の写真と解説文がある。知っているところと知らないところがあり、いまも仕事の場になっているビル、レストランになっているビルなどがある。中之島公会堂、府立図書館、日銀などの公共建物、大丸、高島屋などの大きなビル、こじんまりした個人所有のビルもある。煉瓦の教会もある。旧大阪砲兵工厰化学分析所、旧第四師団司令部庁舎が大阪城エリアにあるのだけれど、両方とも閉鎖されたままだそうだ。庭も広くてとても美しい建物なのだ。これからどうするのかしら。
読み終わるとまた最初から写真を見直し、今度見に行きたいなと思う。(監修:橋本紳也 編著:高岡伸一・三木学 青幻社 1600円+税)