本書は1974年にアメリカで出版された子ども向けの本で、1982年に同じ評論社から出版されたものの改訳新版で広告を見ると7冊出る予定のようだ。
そんなに古い本ではないのになんとなく古風な感じがする表紙をめくると、挿し絵もなんとなくイギリスの古い童話風で、わたしにはちょうど良い。
(1)「火曜日のごちそうはヒキガエル」
ヒキガエルのウォートンとモートンはきょうだいで、ウォートンは掃除好き、モートンは料理好き。いまは冬のまっただ中で二匹は土の中の居心地の良い家に住んでいる。晩ごはんにカブトムシの砂糖菓子をデザートに食べたウォートンは、これをおばさんに食べさせてあげたいと思う。こんなに寒いのに無理だというモートンを説得して、まずスキーを作り、たくさん着込みリュックにお土産とお弁当を入れて出発する。途中でシロアシネズミを助けると、お礼にスカーフをくれて、これからややこしいことになったら、このスカーフを見て、仲間が助けてくれるという。ウォートンはミミズクに捕まってしまい、誕生日の火曜日に食べられることになる。
(2)「消えたモートンとんだ大そうさく」
春の終わりごろ、ハイキングに出かけたウォートンとモートンは、テントで気持ちよく眠っているうちに雨が降りだして川に流されてしまう。なんとか地面に上がったウォートンはマスクラットに助けてもらう。一方、モートンはビーバーに助けてもらい、料理嫌いのお母さんに料理を教えている。マスクラットはビーバーが上流のダムから放流するので家が水浸しになり困っている。
のほほんとしておもしろい物語だ。二匹のヒキガエルはそれぞれの個性で他の動物たちとつきあう。食べられるとわかっているのに、部屋が汚いと掃除してしまうウォートンにミミズクも感じるところがある。行動的なウォートンにモートンがしぶしぶという感じで従うところがおもしろい。
ご馳走は、タンポポのソースをかけたシロアリのフライ、コオロギの足はかりっとしているけど汁気がたっぷり、アブラムシのマフィン、すりつぶして肉汁をかけたイモムシ。(佐藤涼子訳 評論社 (1)1100円+税、(2)1200円+税)