かなり前からジョセフ・ウォンボーの「ハリウッド警察25時」を読んでいるのですが、なかなかはかどりません。ストーリーで引っ張られるないから、ちょっとの空き時間に読むということができません。おもしろくないことはないんですけど。
そこで、またミクシィの「セイヤーズ読書会」から持ってきました。タイトルの“赤い鰊”というのは、“偽の手がかり”という意味なんですね。この言葉はいまも使われているのが、ピーター・ラヴゼイの「殺人作家同盟」を読んだらわかりました。“赤い鰊”に“偽の手がかり”とルビがふってあったのです。
■「五匹の赤い鰊」について話し合いましょう
ピーター・ウィムジィ卿シリーズの6册目です。10年前に読んだきりだったので、新しく買ったのを読んだような読書の楽しみを味わいました。
今回のピーター卿はバンターを連れてスコットランドの小さな町ギャロウェイで家を借り、釣りをしたり画家たちとつきあったりして楽しく暮らしています。イングランド人であること新入りなこと、にもかかわらず住民に受け入れられているのは、偉そうにふるまわないからだし、イングランド人の悪徳にとらわれていない性格なので、気取っていて浅薄な態度をとっているけど、そんなに気にされていないようです。
こんな平和でのんきそうな絵描きが多い町ですが、ひとりキャンベルという画家が口が悪くてなににつけ難癖をつけるので皆は大迷惑しています。殺してやりたいと思っている人もいるくらい。その夜もパブで喧嘩騒ぎとなります。
翌朝、ピーター卿はキャンベルが死体で発見されたと聞き現場へ急ぎます。朝早く川の石の上で絵を描いているとき、渓流に落ちて死んだと推定できる状況ですが、死体を調べると溺死ではなく殺されたことがわかります。
キャンベルを殺す動機のある人はいっぱいいるけど、だれが実際に手を下したのだろう。その日に限って出かけた人が多く、戻ってきていない人もいて捜査は手こずります。
バンターは休みをとって映画に行くと言い、実はある画家の女中を誘ってその家の様子を探ってきます。今回はバンターの活躍がこれだけなのが残念です。
画家たちの行動を探っていくと動機はみんなにあるし、怪しげな行動をしている人が多い。最後にピーター卿が考えて立証するまで、今回ばかりはよく動きます。それもスコットランドの警察官たちといっしょに行動して、理詰めで追いつめていくところが読み応えあり。
(mixi コミュニティ「セイヤーズ読書会」のトピック〈「五匹の赤い鰊」について話し合いましょう 2006.7.31〉より)(浅羽莢子訳 創元推理文庫 940円+税)