一片の骨から真実を暴き出すことができる人類学者ギデオン・オリヴァー(スケルトン探偵といわれている)が活躍するシリーズ13作目を、Uさんからお借りして読んだ。今年の3月発行でいちばん新しい訳書である。
いま思い出して検索したら、モンサンミッシェルの写真が表紙の「古い骨」があった。この1冊だけを読んだ記憶がある。おもしろかったけれど、次を読もうと思わずにいままできてしまった。気軽に読める本だなというのが今回の感想。
ギデオンは妻のジュリーが参加する環境に関する会議に連れ立って、シアトルからイギリスはコーンウォール州ペンザンスへやってきた。会議は要塞として建てられた堅牢な建物で行われ、参加者はそこで泊まる。初日のパーティで博物館の館長マデリンに人骨の鑑定をしてほしいと頼まれる。
翌日、博物館にある骨を見たギデオンはその中に新し骨がいくらかあるのを見つける。ノコギリで切断された骨だった。警察に持っていくとロブ巡査とクラッパー巡査部長がいる。ロブは聡明な若者で、クラッパーは屈折した人生を送ってきた人物である。ギデオンの話を聞いて、特殊能力犬の訓練士に頼んで海岸を捜査し残った骨を見つける。
事故にも見える次なる殺人があり、ギデオンの骨からの推理とクラッパーの捜査で真犯人を見つけだす。
ギデオンはほとんどが解決しかけたときに、警察のテーブルの上に置いてある骨を見て反省する。【不用意になっていると彼は反省した。いや、不用意ではなく傲慢になっているのだ。規則は学生たちのような劣った人間のためにあるのであって、自分には関係ないと思っているのだ。】
ジュリーとの子どもっぽいような仲の良さ、クラッパーとマデリンがあつあつだったりするところなど、よく言えば初々しいところに困った(笑)。(嵯峨静江訳 ハヤカワ文庫 820円+税)