ケイティ・マンガー「女探偵の条件」
〈女性探偵〉でなく〈女探偵〉というところがミソなのかな。新潮文庫で2002年に出た本なんだけど、その存在をわたしは全然知らなかった。
先日、ミクシィの「私立女性探偵たち」コミュで話題になったのだが、「タルト・ノワール」(tart noir)とくくられる女性探偵ものがあって、その一番にあげられたのが本書だった。「タルト・ノワール」という言葉を知ったのもはじめてだし、推薦者が10作もあげているのに、わたしは1作も知らなかった。こんなことってあるんやと感心したくらい(笑)。
そこで教えてもらったんだけど、「タルト・ノワール」の「タルト」は「あばずれ女」「尻軽女」のことで、女性作家が書いたノワール小説を指す。女性主人公がちょっと悪い女というのがウリだそうだ。サイトも教えてもらったのでリンクした。気になる方はそちらで詳しく知ってください。
運良く図書館にあったので即読むことができてよかった。
本書のあとがきには、従来のヒロインに飽き足らず、タフだけど男みたいじゃない新しい女性像と書かれている。ヴィクやその後に続々出てきた真面目一方な女性探偵でなく、色気のある女探偵が出現し、それが受け入れられたってことか。
ケイシー・ジョーンズはノース・カロライナ州ダーラムに住み、州都ローリーの探偵事務所で働いている。警護を頼まれていた上院議員候補メアリー・リーの自宅庭先で土地開発業者の死体が発見される。自分に罪を被せるために違いないと、メアリーはケイシーに真犯人を探し出すように命じる。ケイシーは関係あると思われるさまざまなところで聴き込みをはじめる。アメリカ南部に住む人たちの考え方や言葉に味わいがあり、大都会や北部と違った魅力をケイシーは教えてくれる。それまでの女性探偵よりも口が達者で惚れっぽい。だけど本質は真面目なので現象面での差なんだと思う。どっちかというと、真面目一方のほうがわたしは好き。肩が凝る方が(笑)。


