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アンソロジー アーカイブ

2005年03月17日

木村仁良編「子猫探偵ニックとノラ」

『ジャーロ』傑作短編アンソロジーの(1)は、2003年に発行された「探偵家業はやめられない」(サラ・パレツキーの「フォト・フィニッシュ」が入っている)だった。本書はその(2)で2004年12月発行されたもの。うっかり買い忘れていて読むのが遅くなってしまった。
タイトルを見たらわかるとおり猫が活躍する短編集である。9作品のうち3作品が山本やよいさんの訳であることもうれしい。その中でも「青い瞳」はジャネット・ドーソン作で、主人公は長編「追憶のファイル」などでおなじみの女性探偵ジェリ・ハワードである。ジェリはヴィクについで好きな探偵だが、最近翻訳がとまっているのでどうなっているのかと思っていた。木村仁良さんの解説によると9作まで発表されているらしいが、翻訳は4冊しかない。なんとか出してほしいなぁ。
「青い瞳」の内容は、癌で亡くなった女性が姪に多額の財産を残すという遺言書からはじまる。それには愛猫が死ぬまで世話をするという条件がついていた。ところがかんじんの姪の名前が書いてなくて、現実に姪は二人いるという。その書類ミスが故意に行われたと思ったジェリは、聞き込み調査を続けて、本当の姪に遺産は渡されることになる。短編なのでちょっと物足りないが久しぶりにジェリに会えてよかった。
9つの短編にそれぞれ個性的な猫が出てきて、主人公になったり、探偵をして飼い主にヒントを与えたり、殺されそうになったとき悪いやつに飛びかかったりと活躍する。猫好きならたまらないだろう1冊。表紙がちょっと子どもっぽいが、内容は大人向きばかりです。(光文社文庫 590円+税)

2005年12月25日

木村仁良編「夜明けのフロスト」

夜明けのフロスト R・D・ウィングフィールド連休の最初の日に久しぶりに本屋へ行った。買おうと思っていた本をさっさと買っただけだけど、当分読む本に不自由しないのがうれしい。
最初に読んだのが本書。副題に「クリスマス・ストーリー」とあるので、昨日と今日で読めてよかった。「探偵家業はやめられない」(2003)、「子猫探偵ニックとノラ」(2004)に続く年に一度の光文社文庫アンソロジーである。
エドワード・D・ホック、ナンシー・ピカード、ダグ・アリン、レジナルド・ヒル、マーシャ・マラー&ビル・ブロンジーニ、ピーター・ラヴゼイ、R・D・ウィングフィールドの7人に木村仁良さんの丁寧な解説がついている。最近ごぶさたしていた名前が多くてうれしく、すべてをおもしろく読んだ。ダグ・アリンて知らないなぁと思ったが、解説で「モータウン・ブルース」の作家とわかって、一応ミステリファンとしては、あ、みんな知ってると安心した(笑)。
女性探偵シャロン・マコーンの作家マーシャ・マラーと、名無しのオプ(ここではウルフとなっている)の作家ビル・ブロンジーニは夫婦で合作していていい感じである。マコーンのオフィスがあるビルの入居者たちがクリスマス・チャリティー・パーティーをはじめている。マコーンはウルフと奥さんのケリー(懐かしいなぁ)を招待している。マコーンはウルフに重要な仕事を助けてもらったので、その時間を市の家屋検査指導課の不正調査に従事することができた。そして市の上級職員が許可手続きをスピードアップする見返りにリベートをもらっていたことをつきとめた。パーティ中に、機密保持のために1枚しかないそのディスクを盗まれる。最後はみんなして犯人をあばくのだが、なんだか、いま毎日ニュースでやっている事件を思い出してしまった。(光文社文庫 571円+税)

2006年07月15日

山本やよいさん訳 アン・ベリー編著「ホロスコープは死を招く」

ホロスコープは死を招く アン ペリー一昨日13日に本書の中の1作、ピーター・トレメインの「自分の殺害を予言した占星術師」のことを書いた。この1作が気に入ったからだが、他の作品もなかなかおもしろかった。編者であり1作品を書いているアン・ベリーは映画「乙女の祈り」の親友のモデルだったと名乗り出たことで有名な人だそうだ。彼女の作品「青い蠍」は才長けた感じで好感をが持てた。
あとは、やっぱりローレンス・ブロックの「ケラーのホロスコープ」がよかった。わたしは「八百万の死にざま」を読んでからマット・スカダーのファンだったが、最近の作品は読んでないのでケラーが出てくるのははじめて読んだ。ケラーは占い師に手相を見てもらうために手をさしだしたら、相手は手をじっと見てから押しもどしたとマギーに言う。マギーは手を見せるように言い、ケラーにあなたは殺人者の親指を持っていると告げる。ケラーが殺しの仕事をやってのけた後にあったことは、ここで書いたら叱られる。本を買って読んでください。
その他サイモン・ブレッド「ライブラリアン」もよかったし、ビル・クライダー「獅子座の女」、リリアン・ステュアート・カール「美は見る者の目に・・・」もよかった。(ヴィレッジブックス 1200円+税)

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