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バーバラ・クーニー アーカイブ

2004年02月28日

バーバラ・クーニーの絵本とレターセット

例会前の1時間を有効に使おうと早めに家を出るのが習慣になっている。今日はまずL・L・ビーンに寄って春のセーターを買った。紺色の丸首コットンセーター、基本中の基本なのに、なかなか見つからなかったものがあってよかった。
次に北の新地を通ってジュンク堂へ行った。「剣客商売」6・7・8の3冊を買って絵本売り場へ行ってみたら、洋書のところに小さな箱があった。その箱には、なんとー、バーバラ・クーニーのレターセットとカードが入ってる。ローズ色のレターセットと大型カードを5枚買った。どちらもクーニーの絵本の中の絵が入っていてとても素敵なもの。ついでに絵本も1冊買った。「ちっちゃな女の子のうた“わたしは生きてるさくらんぼ”」という長いタイトルの本。「5歳から」となっている。わたしも5歳から上なのでちょうどぴったりだ。文がデルモア・シュワルツ、訳が白石かずこである。ちっちゃな女の子が自然や家族の中で感じたこと考えたことが言葉になり、それを生命力のあるクーニーの絵が彩っている。
あれ6時だと気がついてあわてて例会場所へ。人数は少なかったが、おしゃべりと笑いで楽しく過ごした。ヴィクのこと、ミステリーのこと、掲示板のこと、K1に初出場した山本のこと、等々わいわいと楽しい時間をもてて幸せ。
「ちっちゃな女の子のうた“わたしは生きてるさくらんぼ”」(ほるぷ出版 1300円+税)

2007年11月03日

ショウガいりクッッキー

知り合いからイギリスの百貨店 ハロッズの紅茶とジャムとビスケットのセットをいただいた。それぞれとても美味しくてありがたく食べている。そして、これがほんとのショウガビスケットなんだと気がついた。ショウガの香りがほのかにしてとてもおいしい。
英米の絵本や児童書には必ず出てくるのでどんなものかと思っていた。といっても調べるとか探すとかまでいってなくて、なんとなく気になってね。

大好きな絵本作家バーバラ・クーニーの「エミリー」は、詩人 エミリー・ディキンソンと近くに越してきた少女の交流を描いて、とても素敵な絵本だ。そのあとがきに書いてあるんだけど、エミリーは知らない人とは会わない人なのだが、子どもは好きで台所で働いていると近所の子どもたちと話していた。そして外にいる子どもたちに、二階の自分の部屋からショウガいりクッキーをカゴに入れておろしたという。
どんなクッキーかと思っていたが、こんな感じのね、きっと。(マイケル・ビダートぶん バーバラ・クーニーえ 掛川恭子訳 ほるぷ出版 1359円+税)

2008年12月21日

ルーマー・ゴッデン作 バーバラ・クーニー絵「クリスマス人形のねがい」

クリスマス人形のねがい (大型絵本)12月になると出してきて物語を読み美しい絵を眺める。施設にいる少女アイビーと人形のホリーの物語で原題は「ホリーとアイビーの物語」。

街のおもちゃ屋にいるホリーは、ドレスと靴とリボンは赤でペチコートと靴下は緑のクリスマスカラーの身長30センチのお人形。飾り窓にはいろんなおもちゃが並んでいて話をしている。フクロウのアブラカダブラは意地悪でホリーに「売れるもんかね」と言う。
クリスマスに行くところがないアイビーは、先生たちがみんな留守になるので「幼子の家」で過ごすように言われ、キップとお小遣いとお弁当を持たされて汽車に乗る。車中どこへ行くのと聞かれ、とっさにおばあちゃんのいるところとして架空の駅アップルトンと答えると、その駅はすぐだと言われる。
駅に着くと荷物を置いたまま外へ出る。アップルトンの街を歩きまわり、ここがおばあちゃんの家だわと思う家が何度かあったけどそうではなく、アイビーは寒いし疲れてくる。路地の奥の小屋で一夜を明かして、翌日おもちゃ屋のウィンドウでホリーを見つける。「あたしのクリスマス人形!」「わたしのクリスマスの女の子!」だが二人の間にはウィンドウのガラスがあった。
「あたしのおばあちゃんの家」をついに見つけたアイビーは、警官に呼び止められて、ここがおばあちゃんの家と案内する。

孤独なお人形のホリーと孤独な女の子アイビーが出会い、アイビーがおばあちゃんの家と決めた家がほんとにアイビーの家になる。さびしかった奥さんには女の子がきて、家の中が明るくなる。奇跡は人間の善意から生まれるんだよというストーリー。ルーマー・ゴッデンとバーバラ・クーニーの世界にひたる幸せ。(掛川恭子訳 岩波書店 2000円+税)

2009年09月20日

マイケル・ビダード ぶん バーバラ・クーニー え「エミリー」

バーバラ・クーニー(1917-2000)の絵本が好き。絵本作家の中でいちばん好き。VFCサイトの「kumiko page」には読んですぐに書いているのだが、このブログにも読み返して記録していこう。

「エミリー」は1992年ニューヨーク発行で翻訳が1993年発行。エミリーは詩人のエミリー・ディキンソン(1830-1886)である。凝った画材を使っていることもあって、落ち着いた色調で19世紀のマサチューセッツ州アマーストの風景とエミリーの家を美しく描いている。

小さな女の子が父母とアマーストへ引っ越してくる。女の子の家の前にエミリーが住んでいる。エミリーは20年近くも家から外へ出たことがなく、頭がおかしいといううわさもある。ある日一通の手紙が玄関に投げ込まれた。エミリーからで、ママが練習するピアノを聴いて、わたしのうちで弾いてほしいとあった。
ママと女の子が訪ねていくと、エミリーの妹がいて、姉は具合が悪いので二階で聴いているから下の部屋のピアノを弾いてほしいという。
エミリーの家には猫がいっぱいいるのだが、実際にもいたのだろうか。
女の子は階段をそっと上がってエミリーと会う。

文を書いたマイケル・ビダードは、エミリーが住んでいた家を訪れて、ピアノを見たり詩を書いた部屋を見たりしているとき、エミリーがこのお話を部屋からおろしてくれたと書いている。
文と絵がぴたりとあった、たぐいまれな絵本だ。クーニーが好きなひと、エミリーが好きなひとに、そして二人とも好きなひとに最高の贈り物だと思う。
(掛川恭子訳 ほるぷ出版 1400円)

2009年09月22日

バーバラ・クーニー「おおきな なみ」

「エミリー」と本書「おおきな なみ」がバーバラ・クーニー作品の中でも特にお気に入り。「エミリー」はエミリー・ディキンソンの詩に迫ろうとし、「おおきな なみ」は一人のアーティストが誕生する瞬間が描かれている。
本書に描かれるのはクーニーの母ハティーとその家族で、ハティーの子ども時代からはじまって、絵描きになることをはっきり自覚するにいたるまでの物語である。

ハティー一家はドイツからニューヨークへ渡ってきて、父は材木商として成功し、大きなれんがづくりの家に暮らしている。姉のフィフィは大きくなったら花嫁さんになるのが夢、兄のヴォリーはパパの会社に入って働くという。父がハティーになにになるかを聞くと、ペインター(絵を描く人)になりたいという。
料理人クララとちびネズミとよばれているその娘、お手伝いのメアリー、子どもたちを世話する若い娘がいる家庭で伸びやかに育つ。

夏になると裁縫をする人が家に来てみんなの夏服を縫い、でき上がると一家は夏の家に行く。ヨット遊びや海辺の散歩。冬になると父は新しい家を買った。ロングアイランドの広大な屋敷で、テニスが庭でできるし、温室はあるし、乗馬のために玄関にウマがひいてこられる。

姉は思い通りに結婚し、兄は父の会社で働くようになる。父はブルックリンにホテルがあればいいのにと言っていたがなかったのでホテルを造る。そして一家はホテルの最上階で暮らすようになる。ある日、父母とオペラ劇場へ行ったとき、若い女性のオペラ歌手の声を聴いて、ハティーは自分がなにをしたいかがわかる。オペラ歌手は自分のすべてをはきだして歌っていた。わたしも身も心もじぶんのすべてをはきだして、絵を描くときがきた。
(かけがわやすこ訳 ホルプ出版 1400円)

2009年10月20日

ジェーン・ヨーレン文 バーバラ・クーニー絵「みずうみにきえた村」

毎日のように八ッ場ダム(やんばダム)についての報道がある。今日の報道ステーションを見ていたら、現地へ記者が行ってそこに暮らす人たちにインタビューしていた。見ていたら本書「みずうみにきえた村」を思い出した。

文を書いているジェーン・ヨーレンの家の近くにあるクアビン貯水池は、ニューイングランドでもっとも大きい淡水湖だが、以前は山々にかこまれ、川が流れて谷間には小さな町や村がいくつもあった。住民は何代も住み続けていた勤勉な人たちだった。それらすべてが1927年から20年の間に水の底に沈んでしまった。ボストンの人々の水をまかなうために。
【・・・世界中のあちこちでおこっています。そういうところにできた貯水池は、取り引きの結果生まれたものですが、取り引きの例外にもれず、すんなりと成立したものはひとるもなく、文句なしの条件で成立したものはひとつもありません。】(前書きより)

サリー・ジェーンが子どものころ、寝ている窓の外には風が柳の枝の間を通り過ぎる。夏はマスを釣り墓地で遊ぶ。ニレの木の下で眠るとフクロウが啼きホタルが光る。冬になると昼も夜もストーブを燃やし羽毛のふとん3枚とキルトを掛けて眠る。カエデの幹から甘い樹液を味わう。
そんな牧歌的な暮らしが、お金と新しい家ともっといい暮らしと交換しようというボストンから来た人々からの話によって打ち切られた。学校や教会や家がつぶされて、墓地も移転する。先住民の墓は経費をかけたくないのでそのままにするが、サリー・ジェーンはインディアンたちが聖なる地に残れてよかったと思う。
すべて取り払われた土地にせき止められていた川の水が流れ込み、7年かかって湖となった。サリー・ジェーンは父といっしょにボートで湖に漕ぎ出す。子どものころの思い出はすべてなにもかも水の底に消えてしまった。
哀愁にあふれたバーナラ・クーニーの絵がすばらしい。
(掛川恭子訳 ほるぷ出版 1450円)

2009年11月19日

グリム童話 バーバラ・クーニー 絵「しらゆき べにばら」

グリム童話は子どものとき姉と兄の本が家にたくさんあった。こういうときは子だくさんの後から生まれた者はトクだ。なんでもお下がりばかりだが、本の内容はお下がりではない。でもクリスマスに新しい本をもらったときはときめいた。いまの新刊書好きはそのときからかもしれない。

「しらゆき べにばら」は仲の良い姉妹が主人公である。わたしが知っているグリム童話の姉妹は姉が継子で、母と妹にいじめられていた。あれはなんていうタイトルだったかな。いじめられた姉が家に帰ってくると、口から言葉といっしょに金銀があふれ、真似した妹の口からはヒキガエルや汚いものが吐き出されるというものだった。

しらゆきとべにばらは母親の用事を手伝う健気な姉妹である。夜なべに糸つむぎをしていると、母が本を読んでくれる。そこへ現れたのが大きなクマ。みんなが怖がると、クマは怖がらないで火の側で温まらせてほしいと言う。ふたりはすっかりクマと仲良くなりいっしょに遊ぶ。クマは毎晩訪ねてくるようになるが、春になるとお別れを言ってどこかへ行ってしまう。
それから小人が出てきて鳥が出てきて、ドラマティックな話になり、最後にクマが出てきて小人をひとなぐりして倒す。しらゆきとべにばらが逃げようとすると、ちょっとお待ちと知っている声が言う。クマの毛皮がするりと落ちて美青年が立っていた。
青年は実は王子で小人に魔法をかけられてクマにされていたのだ。
それから何年かして、しらゆきは王子と、べにばらは王子の弟と結婚した。

バーバラ・クーニーの美しい絵で甦ったグリム童話。クーニーの他の絵本とちょっと違う淡白な描きかたがメルヘンチックで楽しい。1965年に描かれた本、本書は1995年発行。
(鈴木晶訳 ホルプ出版 1350円)

2009年11月23日

ヘレン・ケイ さく バーバラ・クーニー え「雪の日のたんじょう日」

雪の日のたんじょう日ヘレン・ケイ(1912-2002)はニューヨーク生まれで、子どものための本35册を残している。「みなとはネコでおおさわぎ」「テディ・ベアものがたり—大統領の名前をもらった子ぐまの話」など翻訳も出ているそうだが、わたしは読んだことがなく本書がはじめて。

「雪の日のたんじょう日」は誕生日に雪が降って欲しいと願うスティーブン少年の物語。前の日に願いがかなって雪が降ったきたのが大雪となる。父と妹のデボラと雪合戦をして遊んだり、雪の上に寝転んで腕をまわすと天使の羽根模様ができるのを楽しんだり。
雪は降り止まず誕生会はどうなるんだろう。雪道で自動車がスリップしてしまったとクレインさんと娘のキャロルがやってきて泊まることになる。彼らとの夕食もスティーブンは楽しめない。だって友だちが来られないんだもん。
翌日、ブルトーザーがきて道を開きクレインさんたちは帰って行く。それから雪がやんで太陽が現れた。そのときそりの音が聞こえてくる。クレインさんと友だちが馬そりに乗っている。スティーブンが「むかしなら、きっとみんなここにこられたのに!」と言い、なぜかと聞かれて「馬そりで、もちろん」と言ったのをクレインさんが実現してくれたのだ。

ゆったりとしたお話とバーバラ・クーニーの品のある絵にいろどられた楽しい絵物語。ニューヨーク生まれの作家だから場所はニューヨーク近郊の村かしら。クーニーの他の絵本にもニューヨーク洲の山間の村が出てきてたのを思い出した。
(あんどう のりこ訳 2008年 長崎出版 1500円+税)

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