ヤン・アンドレア「デュラス、あなたは僕を(本当に)愛していたのですか。」
先日、ビデオでジャンヌ・モローがマルグリット・デュラスを演じた映画「デュラス 愛の最終章」を見てから、ヤンのことばかり考えている。とても素敵な人だから。
映画のサイトを読んでいたら、紹介文にヤンはデュラスよりも38歳も年下の男と書いてある。「も」が余分じゃないの。こういう言い方って日本だけだろうと思う。
で、この本ヤン・アンドレアの「デュラス、あなたは僕を(本当に)愛していたのですか。」をジュンク堂で探したらありました。毎日少しずつ読んでいるが、ヤンとデュラスの16年にわたる生活は、読んでいるわたしには苦しみさえも甘美なものに思える。
ヤンがデュラスの作品をはじめて読んだのが「タルキニアの子馬」だったと言う。わたしといっしょである。「タルキニアの子馬」にかぶれて、それ以来苦いカンパリを飲むようになったという。わたしもと言いたいところだが、わたしはビターカンパーリと訳本どおりをバーで聞いて、ないと言われてからあきらめてしまっていた。苦いカンパリとはいかなるものか。しかし、ヤンのいたカーンの町のビストロでカンパリを見つけるのは並大抵のことではなかったとある。努力の度合いが違うわ。
ヤンはそれ以来、他の作家の本は読まず、デュラスだけを読むようになり、何度も読み、そのフレーズ全体を紙の上に書き写し・・・彼にとってデュラスとはエクリチュールそのものになっていた。
ある日、デュラスが映画上映会のためにカーンにやってくる。質問をし、サインをもらい、手紙を出していいかと訊ねて住所を教えてもらう。それ以来5年間ヤンはデュラスに毎日手紙を出し続ける。そしてついに、会いにくるようにデュラスが誘う。1980年7月ヤンはトゥルーヴィール行きのバスに乗った。
映画はここからはじまるので、また今度映画の話をします。(河出書房新社 2400円+税)