メイン

クレイグ・ライス アーカイブ

2005年06月09日

山本やよいさん訳 クレイグ・ライス「暴徒裁判」

暴徒裁判 (クラシック・セレクション) クレイグ・ライス山本やよいさんが新しく訳したクレイグ・ライス「暴徒裁判」を送ってくださった。翻訳中と聞いたとき、たしかポケットミステリであったはずと探したら持っていた。長らく読んでいなかったので、つい読みかけたが、紙が黄ばんでいるし字が小さいしで新訳を待つことにした。こなれた日本語で字は大きいし待った甲斐があったというもの。
わたしにとってクレイグ・ライスはドロシー・L・セイヤーズとともに子ども時代からの女神である。ライスの「スイートホーム殺人事件」とセイヤーズの「大学祭の夜」(「学寮祭の夜」)は、生涯の友としてまだまだ愛読し続けると思う。
小柄な弁護士マローンと金髪のヘレンと赤毛のジェークのジャスタス夫妻の3人組が繰り広げる、おしゃれでおかしな世界。本書はいつもと違ってシカゴが舞台でなく、休暇に釣りを楽しむ旅行に出たヘレンとジェークが、ウィスコンシン州ジャクソン郡の郡役場に立ち寄ったところからはじまる。彼らが役場の書記を待っていると、階段から撃たれた上院議員の体が転がってくる。実にジャクソン郡にとって32年目に起きた殺人である。よそ者ゆえに保安官はジェークを疑う。ジェークは事件解決のために動くがますます窮地に陥ってしまう。続いて第二第三の殺人が起こり、なんやかやの末、マローンがシカゴから呼び出される。
行方不明になったジェークを探すにのに連れて行くヘラクレスというでかい犬が愛嬌があり、マローンと夜の野原で月を眺めるところなどユーモアと哀愁がただよう。(ハヤカワ文庫 840円+税)

2006年04月17日

クレイグ・ライス「セントラル・パーク事件」を読み出したら

セントラル・パーク事件 クレイグ ライス先日新刊だとばかり思って買ったクレイグ・ライス「セントラル・パーク事件」だが、新刊のはずはないのはわかっていた。なぜ買ってしまったのかというと、まだ翻訳が出てないのがあったのかな、なんて漠然と思ったのね。おしゃれな表紙だから欲しかったしね。
で、今日読みかけて、なーんだ、これ知ってるじゃん。訳者あとがきを読んで納得し、押し入れからミステリ箱を引っ張り出したら、ハヤカワポケットミステリでビンゴとハンサムのシリーズ3作とも持っておりました。本書と「七面鳥殺人事件」「エイプリル・ロビン殺人事件」(クレイグ・ライスが亡くなったあと、エド・マクベインが完成させた)。
クレイグ・ライスといえば、ジェークとヘレンのジャスタス夫妻+弁護士マローンのシリーズがオシャレで楽しくて大好きである。もちろん翻訳されたものは全部持っている。それと「スイート・ホーム殺人事件」は子どもの頃から好き。なのにビンゴとハンサムのシリーズはころっと忘れてた。3冊連続で読まなくっちゃとほくほくしている。
ニューヨークはセントラル・パークで、とっぽい赤毛で小柄なビンゴ、おっとりした背が高く美男子なカメラマンのハンサムが、通行人の写真を撮ってはカードを渡し、あとで写真を送る商売をしている。(日本でも昔は街頭写真屋さんてあったよね。わたしが子どもの頃、道頓堀で撮られた街頭写真が手許に残っている。)そこで撮った写真の背景に、行方不明の男が写っているのを発見して、探し出して連れて帰る。それからはクレイグ・ライスのことだから、話はどんどん転がって行く。(ハヤカワ文庫 820円+税)

2008年02月24日

クレイグ・ライス「スイート・ホーム殺人事件」を読むのは百回目(笑)

最初に読んでから50年にもなる「スイート・ホーム殺人事件」だが、読むたびにおもしろい。最初に読んだのは「別冊宝石」だった。ミステリー雑誌「宝石」の別冊で海外ミステリーを翻訳紹介をしており、家族揃ってものすごく恩恵を受けた。ディクソン・カーもレイモンド・チャンドラーも、カボチャ型の帽子をかぶった女性が出てくるウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)「幻の女」も、と数えあげたらきりがない。全体に挿絵がモダンで、いまだに「黒衣の花嫁」のストラップレスのドレス姿を覚えている。
きょうだい全員が読んで、オコダカマカリキ(「スイート・ホーム殺人事件」の子どもたちの造語の日本語版)と叫んでいたわが家である。
文庫本で2回目に買ったのがいま手許にあるが、これも汚れているので、今度はきれいな本で読みたいと思っている。山本やよいさん訳で出してほしいなぁ。ほんとにおもしろい本なのだ。

ダイナ(14歳)、エープリル(12歳)、アーチー(10歳)のカーステアズ家の子どもたちが、母(探偵作家)のマリアンのために、近所で起こった殺人事件を解決しようとする物語。マリアンはずっと新聞記者だったが、いまは読物作家として何人かの名前を使って毎日タイプライタに向かっている。事件の捜査にあたるのはビル・スミス警部(孤独なホテル暮らし)とオヘーヤ巡査部長(九人の子どもを手塩にかけたが口癖)である。子どもたちはマリアンが事件を解決したことにした上で、ビル・スミスをマリアンの夫にしようと大活躍する。
事件のほうもよくできた作品なのだが、まず目を見張ったのが日々の暮らしである。三人の子どもたちは母が仕事中は邪魔しないように気を使っており、食事の支度も学校へ行くのも自分たちできちんとやっている。母の日の薔薇を近所にもらいに行ってもきちんと応対する。
ルークの店というのがあってコカコーラやルートビアやクリームソーダを飲ませる。最初に読んだときはコカコーラを知らなかったのであこがれたものだ。
それよりも家でつくるお菓子の数々が垂涎の的だった。スコーンやレモンパイやジンジャーブレッドや見たことがないものが多かった(いまは知っているが)。
要するにアメリカ民主主義の洗礼を受けて染まってしまったのね。「小公女」と「ジェイン・エア」の後に「スイート・ホーム殺人事件」がきて、その後にセイヤーズの「大学祭の夜」(「学寮祭の夜」)だもん。リクツっぽいと言われても、ねぇ。(長谷川修二訳 ハヤカワ文庫 580円)

About クレイグ・ライス

ブログ「kumiko 日記」のカテゴリ「クレイグ・ライス」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のカテゴリはエド・マクベインです。

次のカテゴリはグレッグ・ルッカです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。