ケイト・ロス「フォークランド館の殺人」
お屋敷が出てくる小説が好きという話がミクシィ内で盛り上がったときに、Mさんが教えてくれた本を図書館で見つけた。ケイト・ロスははじめて読む作家である。Mさんが夭折されて残念と言われたので、調べたら1998年に41歳で亡くなられている。翻訳は講談社文庫で本書の他に「ベルガード館の殺人」「マルヴェッツィ館の殺人」が出ている。
分厚い文庫本で全部読めるかと心配したが、おもしろくてどんどん読み進んだ。19世紀初頭のロンドンを舞台に、華やかなパーティでの殺人事件をロンドン社交界一のダンディともてはやされているジュリアン・ケストレルが解く。
ジュリアン・ケストレルは前作で探偵として活躍したらしく、今回はその実績を知っている弁護士のサー・マルコムに息子を殺した犯人探しを頼まれる。
社交界で華やいでいたアレクサンダーがなぜ自宅で豪華なパーティを開いているときに殺されたのか。残された美しい妻はジュリアンに、「地獄へ行かれたことはおありですか」と問い、「わたしが今いるところはそこですもの」と言う。
調べていくうちにアレクサンダーがとんでもないことをしていたのがわかりだす。サー・マルコムはしっかり真実を受け止めてようとする。
一方、ジュリアンはクラブで、フォークランド館の殺人を1週間で解決することに500ポンドを賭ける。時間がだんだん迫ってくるなか、ロンドン警察のヴァンス刑事や従僕のディッパーの助けを得て事件の核心にせまる。
ジュリアンは社交界でとても目立つ人なのだが、目立つためにどうしたらよいかをよくわきまえている伊達男だ。服装にお金を使うのを第一にしているから、馬車は持たないで友人の馬車を借りて調査に遠乗りしたりする。だから賭け金を払うはめになったらたいへんだ。時間を争うところまでくるとこちらもいっしょけんめいに読んでいた。


