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ダイアン・デヴィッドソン アーカイブ

2003年10月08日

ダイアン・デヴィットソン「クッキング・ママの供述書」

クッキング・ママの供述書 (集英社文庫) ダイアン デヴィッドソンクッキング・ママシリーズの11作目。いつも同じ場所で同じ登場人物だし、同じような殺人事件なのに、飽きずに読ませるのだからたいしたものだ。
突然、ゴルディの住む土地の近くに大金持ちが邸宅を建てまくり、超高級車を買いまくり、そのお陰で物価が倍になるという状態になった。そしてそのお陰でケータリングを頼んでおしゃれなパーティを開く家が増え、ゴルディのケータリング業は“至福の境地”の大繁盛で、これだけ稼げば息子をロースクールにだってやれると大喜びである。ゴルディは夫のトムを愛しているが、経済的にトムの世話になりたくないと思っているので、しっかり稼ごうとフル回転している。
その反面、息子のアーチは金持ちの息子たちとのつき合いで、高価なものを欲しがるわ、反抗するわ、背中にタトゥを入れるわ、親子の間は波風が立ちっぱなしである。
ショッピング・モールの支配人バリーはゴルディの大学時代の友人で、いっしょにコーヒーを飲みに行っていた間柄であった。その縁でショッピング・モールのパーティにケータリングを頼まれるが、その日にバリーが殺される。殺人容疑で逮捕されたのはゴルディの助手のジュリアンだった。そんなアホなことはあれへんと、ゴルディはアーチの誕生日までにジュリアンを取り戻そうと必死の捜査をはじめる。
いやもう、よくキレないなと思うくらいに、料理をつくるわ、人の話を聞きまくるわ、バリーの家に忍び込むわと大活躍である。そしてなんやかや言いながらコーヒーを飲む。チョコレートを食べる。
トムがいようといまいと事件に突っ込んでいくゴルディは変わらない。ただ、闘い終わって日が暮れて、家に戻るとトムがいてご飯をつくってくれる。暖かいふとんにくるまってできあがりを待つ喜び。よかったね、ゴルディ。

2007年08月07日

ダイアン・デヴィッドソン「クッキング・ママの遺言書」

クッキング・ママの遺言書 (集英社文庫) ダイアン デヴィッドソンクッキング・ママシリーズの13作目を図書館で見つけた。あまり好きではないが、ケータリング業で頑張っているゴルディが気になりずっと読み続けてきた。振り返ったら11作目「クッキング・ママの供述書」まで読んでいる。ここまでは買って読んだのだが、人にあげてしまって手許には残っていない。
12作目も図書館で借りて読もう。以前の知り合いがこのシリーズの熱烈なファンで、すすめられて読み始めたのだが、彼女はあるとき突然ネットから姿を消した。このシリーズのおしゃれなファンサイトも消去されてしまって残念なことだった。
「クッキング・ママの・・・」とつけずに、もっとシリアスなタイトルだったらいいのにと思う。こんな本を読んでますと言いにくい(笑)。

10月のある夜、ゴルディは得意先の弁護士事務所に、明日の弁護士と依頼人との朝食のためのパン作りのために出かけた。パンの材料を両手に抱えてドアを開けると、友人のダスティの死体につまづいた。なんやねん、お調子者どもがなにをやったんやと思ったが、抱えていた粉やイーストや糖蜜が飛んで行き暴発する。冗談ではなくダスティはほんとに死んでいた。
ダスティは貧しい家庭に育って、弁護士事務所の事務をしながら勉強中の上昇志向の女性だった。彼女の家はゴルディの家の隣である。母親は警察ではなくゴルディに事件を解決してほしいと頼む。
ケータリングの仕事をこなしながら、ゴルディは聞き込みをし、残ったコンピュータのファイルを調べたりと大忙し。元助手のジュリアンが手伝いにくるし、友人のマーラも社交界のうわさ話を集める。
たしかゴルディは少し太めだった。なんせおいしいケーキが好きで、それを自分で作るんだから。そして何度もエスプレッソをダブルで飲むカフェイン中毒である。いや、そんなこと以上に睡眠時間を削って頑張る女性である。

こんなところがあった。ダスティの同僚が、すごく複雑な遺産書類を扱ってたら、解決するときは四十歳を過ぎてしまうと言う。「四十歳を過ぎたら終わりみたいな言い方ね」とゴルディは陽気に言う。「いまのあなたには、ずっとずっと先のことに思えるだろうけど・・・」そうそう、四十歳はすぐくるし、人生は四十歳からはじまるとも言える。四十歳までずぼらしてたら終わりだけど。(集英社文庫 781円)

2007年08月22日

ダイアン・デヴィッドソン「クッキング・ママの鎮魂歌」

クッキング・ママの鎮魂歌 (集英社文庫) ダイアン デヴィッドソン「クッキング・ママ」シリーズの12作目。7日に書いた「クッキング・ママの遺言書」の前作である。これでこのシリーズすべて読了でなんとなくほっとした。

初夏の午前5時、ゴルディは料理を乗せたワゴンを押して上機嫌でケータリング・イベントセンターに向かう。この建物は廃業したレストランをゴルディが借り受けたもので、昼にはイベントをやることになっている。「ゴルディロックス・ケータリング、まかせて安心プロの味」の盛大な昼食会の予定である。
そこへ向かう途中でゴルディは突然頭を殴られて倒れる。気がついて警察官である夫のトムの携帯電話に連絡するが圏外なので伝言を残し、オペレーターにパトカーをよこすように頼む。次に救急箱の薬で怪我を処置して、友人のマーラに電話する。ワゴンに乗せていたケーキがだめになったので、マーラのために焼いたケーキを代わりに使いたいので持って来てと。マーラが大急ぎでやってきて、二人は建物の中に入ると異常な匂いがする。ネズミが飛び出してきて悲鳴をあげるが、よく見ると大型冷蔵庫の電源が切られていたのだ。元助手に殺鼠剤とねずみ取り、空気清浄スプレーを持ってくるように頼んで、いまできるメニューを考える。そうこうしているところへ、げす野郎の元虐待夫のジョン・リチャードがきて口喧嘩になるという出だし。ここまでだけでもああしんどなのだ。
その後に元夫が拳銃で撃たれて死んだという知らせ。死体のそばにはゴルディの拳銃があり、ゴルディは重要な容疑者にされる。

ここで真犯人を探さないと、息子のアーチのためにもよくないと、いつものようにゴルディの頭よりも体が動き口が動く捜査がはじまる。その上ケータリングの仕事もやりとげつつなので、ストレスがいやが上にも高まる。睡眠不足の頭をエスプレッソコーヒーのお代わりしつつ、ケーキを食べながらカバーする。
元夫の医師ジョン・リチャードは〈頭脳労働者の反社会性人格障害者〉だった。一番の特徴は〈感情がないこと〉。彼は殺されてさえゴルディに迷惑をかけるのである。息子にゴルフを教えると言っていたが、アーチはゴルフのゴの字も知らなかったのがわかる。アーチは口止めされていたのだ。息子そっくりの少年が現れ、義理の弟とわかる。虐待夫はいろんな女に手をだしていたのだ。二人は後に友となる。(集英社文庫 819円)

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